戦後７８年となる２０２３年の夏、マスメディアでは例年のように終戦特集番組が多数組まれました。ただ、今年は戦争体験者の証言を中心にしたものが印象に残りました。高齢化が進み、戦争体験者の死亡が急速に進み、今、ここで生の証言を残しておかなければという危機感があるのでしょう。
　町田市シルバー人材センターの会員の平均年齢は、団塊世代の中心にある７６歳で、私もそこに位置します。この世代が社会に出始めた頃、上司や先輩は、皆戦争体験者であり、戦場体験者でした。終戦後、焼け跡の中から必死に立ち上がり、昭和３５年には高度成長時代に突入し、昭和４４年にはGDPで世界二位にまで復興を果たしたのがこの世代でした。そんな彼らが、ふと漏らしていたのが「死んだと思えば」という言葉でした。周りで死んでいった人たちの事を思い浮かべながら頑張ったのです。
そんな先輩達の薫陶を受けた次の世代の部下や後輩も「モーレツ社員」「社畜」などと言われながら、「企業戦士」となって働き続け「バブル景気」その後の「平成不況」を体験しました。
　元東京大学学長の大河内一男氏を牽引車として、それまで経済成長一辺倒で突き進んできた日本社会が、将来、高齢化社会に突入した時の高齢者の働き方について指針を示したのが、１９８０年に始まるシルバー人材センター事業でした。
この事業の理念は、単なる職業紹介ではなく、むしろ「高齢者の社会参加」に比重を置いた「生きがい就業」ということを目的にした事業でした。
　従来の労使関係、雇用関係による就業ではなく、センターに登録した、自主・自立した60才以上の高齢者が共働・共助により、その長い人生の中で培った経験と知恵を地域・社会で生かすことで、自らの第二、第三の人生に、生きがいを見つけ出そうとするこの先進的・民主的な考え方は、ただひたすら右肩上がりの拡大だけを突き進んできた結果、自然界にも人間社会にも危機をもたらしている現状への反省が込められているように思えます。
最後になりましたが、SDGｓの認定参加団体であり、地域と社会への貢献を団体の理念として掲げる、シルバー人材センターに皆様方の、ご理解とご支援をお願い申し上げます。

駐車場はありませんので、お車でのご来場はご遠慮ください。
公益社団法人　町田市シルバー人材センター
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「町田市シルバー人材センター連絡所」の看板を市内の約１００箇所に設置しました。
シルバー人材センターの周知、入会促進、事業拡大、地域会員の連絡強化を図りご近所の皆様方や企業、団体からの仕事の受注取次ぎ等も実施しています。
 資料も用意していますので気軽に声をかけてください。